「ウォームアップ」は多くのチームで毎日取り組んでいるものです。でも「どんなドリルがいいのだろうか?」やらせてみたものの「これは本当に意味があるのだろうか?」と悩む指導者も多いのではないでしょうか。
今回は7月25日、26日に鹿屋体育大学で行われた
「バレーボールサマーキャンプ」の中で参加者(小学生・中学生)に向けて「ウォームアップ」を指導させていただきました。
参加者はバレーボールを始めたばかりの子ども達も多かったので、基本的な動作トレーニングの要素も取り入れながら行いました。
●ウォームアップの目的
ウォームアップの目的は「練習しやすい体を”準備”すること」
キーワードは「準備」です。
ウォームアップは本来「身体を温める」という意味ではありますが汗をかくことだけが目的ではありません。
その後の練習や試合で、自分の力を発揮しやすい状態を作ることです。
身体だけでなく、気持ちの準備も、ウォームアップで大事なこと。
「今から練習が始まる」
「今日はこんな動きを意識しよう」
身体と頭を、練習モードに切り替える時間でもあります。
よくありがちなのは「ウォームアップが練習に含まれない」と捉えてしまうこと。このような意識づけでは、アップから真剣に取り組む姿勢は見られないかもしれませんね。
この時間はその日の選手のコンディションもよく見えるので、できれば指導者の皆さんには、選手を観察してもらいたい時間でもあります。
「ウォームアップの位置付けを考える」これだけでもチームにおけるウォームアップの質は大きく変わります。
●ウォームアップドリルの選択と順番
ウォームアップドリル選択の鉄則は
・競技で使う部位をしっかりと動かすもの
・競技で必要な動きやスピードを考慮する
・動作パターン(動き、方向)を組み込む
上記を踏まえ、今回は以下のように進めました。
①動的ストレッチ
↓
②ステップ・スキップ
↓
③ジャンプ
↓
④アジリティ
↓
⑤ボールを使ったドリル
まず大学生のデモンストレーションを最初に見せ、続いて参加者が実施。
動作を「見る」事によって、これからの動作を”イメージする”ことは非常に大事です。日々繰り返し、イメージに近づくよう修正する訓練は頭も身体も使い、集中力を高めることもできます。
●コーディネーションの要素を取り入れる
この年代の子どもたち(思春期前)の最大の能力獲得は神経系の機能です。「ボールを使ったドリル」を以下のポイントで取り入れました。
・ボールを距離感を考えて転がす、素早く取りに行く。
・ボールを持つ、そして思うところに投げる。
・ボールを投げる、そして落下地点に合わせて移動しキャッチする。
バレーボールの難しいところは、空中に浮いたボールに合わせてボールを掴まずに(ヒットして)ボールをコントロールすること。時には自身の体も空中にある状態でボールをヒットしなければなりません。
単純な動作でも、初めは失敗することがありますが
人の動作を見たり、考えたり、何回か繰り返しコツを掴むことで
だんだんできるようになります
「動的ストレッチ」や「ステップドリル」も確かに必要な動きなのですが
「思ったところへボールを投げる」
「しっかりキャッチする」
というゴール設定は「できるか、できないか」で判断できるので子どもたちのモチベーションも自然と高めることができます。
ボールを取り入れることで、子どもたちも楽しみながら集中して取り組んでいたのが印象的でした。
●まとめ
ウォームアップはこれから始まる練習や試合の「準備」です。「準備」を日々どう重ねるかという意識づけは、非常に重要なことです。
例えば、その後の技術練習とアップがどう繋がるのか伝えてみる
・練習で切り返し動作を習得させたい→アジリティドリル
・動作コントロールを習得させたい→動的なストレッチング
など子供たちに「何を習得させたいのか」という「目的」に合わせてドリル選択しているのだ、という指導側の意図を一言伝えるだけでも動きは変わります。
そうすれば、限られた時間(だいたい15〜20分)の中で、何にウエイトを置くかによって、時間配分も変えることも可能です。
今回「ボールを使ったドリル」を取り入れてみましたが、初心者が多い場合や集中力を高めたい時に楽しみながら、かつボールとの距離感を掴むには良い手段ではないかと思いました。
