Special Colum /vol.4:痛みを抱えた時の病院受診とその後の対応

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 アスレティックトレーナー×理学療法士の橋口由美子です。

 選手たちは日々の練習や試合で身体を酷使しています。そのため、時には痛みやケガを抱えることも少なくないです。

 特に、痛みを感じた際には、練習を続けるべきか、病院を受診するべきか迷うことがあるでしょう。

 今回は、痛みがある場合の適切な対処法や病院受診の際のポイントについてお話しします。

<内容>

  1. 痛みの種類を把握する

2. 病院受診の際の準備

3. 医師とのコミュニケーション

4. 診察後の対応

5. 最後に

  1. 痛みの種類を把握する

 まず、痛みの種類を見極めることが重要です。例えば、筋肉の疲労による軽い痛みや過度の練習によって生じた筋肉痛と、関節や靭帯の損傷による鋭い痛みでは対応が異なります。軽度の痛みであれば、アイシングや軽いストレッチで様子を見ても良いですが、鋭い痛みや腫れを伴う場合は、すぐに専門家の診断を受けるべきです。また、ケアで様子を見ても変わらない、徐々に痛みが増している、練習量を控えると落ち着くが戻すと再燃(痛みがぶり返す)する場合も専門家に相談することが望ましいです。

  1. 病院受診の際の準備

 以下のポイントを押さえておくとスムーズに診察を受けることができます。

1 症状の記録:

 いつから痛みを感じ始めたか、痛みの部位や性質(鋭い、鈍い、持続的、断続的など)、痛みの強さ、動かすとどうなるかなどをメモしておきましょう。これにより、お医者さんはより正確に診断を下すことができます。

2 経過観察:

 痛みが出た日からの経過や、何か特別な動作や状況で痛みが増すの かどうかも記録しておくと良いでしょう。

3 既往歴やアレルギー:

 過去のケガや病歴、現在服用している薬、アレルギーの 有無についても伝えられるようにしておきましょう。

  1. 医師とのコミュニケーション

 受診時には、緊張することもあると思いますが、お医者さんとのコミュニケーションが非常に重要です。自身の痛みや症状を正確に伝え、必要な検査や治療方針についてしっかりと確認しましょう。準備したメモを活用してください。疑問があれば遠慮せずに質問し、納得のいくまで説明を受けることが大切です。納得が難しい場合は、セカンドオピニオンも選択肢ですが、検査の重複を防ぐために紹介状の作成を依頼された方が良いと思います。

  1. 診察後の対応

 診察の結果、何らかの治療が必要とされた場合は、お医者さんの指示に従うことが重要です。リハビリテーションや休養が必要な場合もありますが、軽い痛みや問題が解決した場合には、トレーニングの再開についても相談してみましょう。無理をせず、段階的に負荷をかけていくことが復帰の鍵です。

5. 最後に

 普段からセルフコンディショニングを行うこと、痛みを感じた際は、自己判断せずに専門家の意見を仰ぐことも大切です。適切な診断・治療を受けることで、早期に回復し、再び最高のパフォーマンスを発揮することができます。

 選手自身だけでなく、監督や保護者もこのプロセスに関わり、選手を支えることが大切です。健康であることが、目標を達成するための第一歩です。

 次回は、痛みのメカニズムや部位別の痛みについてお話し出来ればと思います。

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この記事を書いた人

【保有資格】
・理学療法士(PT)
・日本スポーツ協会公認アスレティックトレーナー(JSPO-AT)
・認定心理士
・Authentic Pilates AP
【経歴・コメント】
 専門学校卒業後、25年間にわたり理学療法士として主に病院勤務。学生時代のバスケットボール競技の経験がきっかけになり、トレーナー活動を開始。2015年JSPO-AT取得後、女性アスリート支援、茨城・福井・鹿児島・佐賀の国体(現国スポ)帯同に関わる。現在は県スポーツ協会の事業やなぎなた競技選手のコンディショニング支援活動を行っている。トータルコンディショニングのサポートを通して、対象者の主体性を大事にします

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