第40回目「巧緻性(こうちせい)を高める=センスを作ること」
「巧緻性」はスポーツ選手には大事な体力要素です
簡単にいうと、体を思い通りにコントロールする力のことで
「身のこなし」「動き方」などの言葉で表現されます!
しかしながら、これらは”センス”として捉えられ、練習していても”差”が出る要素なので
指導者にも誤解されやすいことがあります
今回は「巧緻性」について学んでみましょう!
●「巧緻性」って何?
よくあるイメージ
「体を思い通りにコントロールする能力」と聞くと
・器用な人が持っている、才能
・小さい頃の運動習慣や練習内容で決まってしまうもの
多くの人がこのようなイメージを持っていないでしょうか?
実際には筋力・体力と同じものであり、”鍛える”ことで身につけることが可能です
巧緻性が必要な場面とは
実際のプレーで「巧緻性」の能力が低いと以下のようなことが起こります
例:ボール処理、切り返し、着地、空中動作において
・動作が遅れる
・力まかせになってしまう(無駄な力が抜けない)
・同じミスを繰り返す
逆に「巧緻性」が高いと
・判断力が速い
・少ない力で大きな動きができる
つまり、同じ練習をしていても技術が安定しない選手は「巧緻性」が足りていない
可能性も考えられるでしょう
●巧緻性の正体
巧緻性を3つに分けて考えてみると・・・
1)感覚入力:触覚・関節感覚・視覚(体性感覚)
自分の姿勢がどうなっているか、どんな動作を行なっているか正確に把握したり
空間認知やイメージの中での身体操作など、複雑な動きに対して自分の感覚を感知する力
2)コントロール能力
・力の加減
・タイミング
・バランス
3)動作の再現性
・同じ動きを安定してできる
スポーツの動作は非常に複雑です。
練習の中で身につけていく技術は徐々にスピードが上がり、強さが求められますが
「速さ」や「強さ」の前に”正確さ”を身につけておく必要があります
この能力が巧緻性と呼ばれるもので、成長過程や練習の中で段階的に身につけることができます!
●巧緻性を高めるトレーニングの原則
ポイントは「やみくもにやらない、やらせない」ことです!
原則①:スピードよりも正確さ
原則②:成功と失敗がわかる設定を
原則③:簡単→複雑→実践
●プログラム構成例(実践パート)
①ウォームアップ(感覚を目覚めさせる)
・裸足バランス
・ゆっくりとしたコントロール動作
②ベーシック(巧緻性の土台)
・片脚支持での動作
・力の出し分け動作
③応用(競技に近づける)
・視覚情報を加える
・判断を伴う課題をこなす
④クールダウン(振り返り)
・「うまくいった感覚」を言語化する
●まとめ
「巧緻性」はセンスではなくスキルです。誰でも、何歳からでも、正しい順序で伸ばすことができる能力です!
競技レベルが高くなればなるほど、高い技術が求められますが、基礎基本なくして応用はできません
体を思い通りにコントロールできるようになれば、パフォーマンスの向上とケガの予防の土台となります
筋力を高める前に動きを磨く、つまり”できる感覚”をトレーニングしてみませんか?
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