学ぼう!使おう!コンディショニング vol.37

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第37回目「スポーツ選手に多い腰痛」

 スポーツ全般に多いケガの1つに腰痛があります。急に痛くなるものや、気がついたら痛みが強くなっているものもあります

 原因として競技特性やポジション、年齢や練習頻度・時間などが考えられますが、多様です。

 今回は簡単に腰痛のタイプやその予防についてまとめてみます

腰痛のタイプ

 ①屈曲型腰痛

 背中を丸くするような動作、例えば前屈をすると痛みが出るタイプです。太もも後ろ(ハムストリングス)や腰背部の柔軟性が低くなっていることが多いです。腰の骨と骨の間の関節(椎間関節)に負担がかかり、お尻や足が痺れが出る場合は注意が必要です。

 ②伸展型腰痛

 上体を後ろに倒す後屈動作のように腰が反ると痛みがでるタイプです。股関節の前にある腸腰筋や太ももの筋の硬さが、骨盤の前傾を助長し、腰で反る動作を繰り返すことで腰の骨を痛めることがあります。

 ③回旋型腰痛

 上体を捻る動作で痛みが出るタイプです。肩甲骨や股関節を内・外に捻る(内外旋)の可動域低下も影響します。

 ④混合型腰痛

 様々な動きで痛みが生じる複合タイプの腰痛です。

●ストレスのかかりやすいスポーツ動作の例

 ラグビー競技

 スクラムやタックルなど肩から体幹へ長軸方向の衝撃がかかった際「腰が反った」ような姿勢「背中が丸くなった」姿勢は腰への負担が大きくなります

 バレーボール競技

 腰を低く”構えた”姿勢が続く際に、「腰を反った」姿勢や「背中が丸くなった」姿勢などの不良動作の連続は腰に負担をかけます。またアタックやブロック動作時に両手を振り上げた際に腰が反ってしまうなどあります

 サッカー競技

 キックの時、片脚で支持が不安定でキックする脚を動かすと腰の反動を利用したキック動作が起こる際に痛みが出る時があります

 野球

 ワインドアップの片脚支持が不安定だと、胸を開く動作からステップ脚を踏み込む際に、肘が下がり体が開き過ぎて腰の緊張が高くなる傾向が見られます

 他にもスピードスケートのように上体を屈めた姿勢で動作したり、水泳のバタフライのようにキック動作と腕の動きの連動時に負担がかかったりします

●予防

 ①トレーニングの適切な計画:

  筋力トレーニングや柔軟性の向上を含むバランスの取れたプログラムが重要です

  

  屈曲型・・特にハムストリングスから腰背部にかけて体の後面の柔軟性の改善を図ります。

  伸展型・・腸腰筋や大腿四頭筋から腹部にかけて体の前面の柔軟性の改善を図ります。

  回旋型・・肩甲骨や股関節の可動性の改善を図ります。

  いずれのタイプも*腰椎骨盤リズムが崩れてしまうことが原因の1つとして挙げられます。

  これらの協調性を高めるために腹筋の強化が重要です。

  *腰椎骨盤リズム:体幹の動きにおいて腰椎(腰の骨)と骨盤が連動して動くこと  

 ②正しいフォーム:

  競技における正しい動作技術を学び、実践することが大切です

  「腰を痛めたスポーツ動作」を分析し、エラーを改善するための動きのトレーニングが再発予防のカギとなります。例えばバレーボール競技は両手を頭上に挙げてプレーする動作が多いですが、そもそもプレー中でなくても「両手を挙上すると腰が反ってしまう」場合、肩甲骨の可動性が低い場合も考えられます。

 ③休養とリカバリー:

  適切な休養をとり、身体を回復させることや運動後のストレッチングでリカバリーをしましょう。急性的な腰痛を除いて、お風呂などで腰回りを温めることで痛みが緩和することがあります

 適切な対策を講じることで選手は腰痛を予防・管理し、競技を続けることができます。

 これらの予防策(ストレッチングや腹筋、休養など)で痛みが緩和しない場合には、早めに医療機関を受診し原因や現状の把握し専門家のアドバイスを受けましょう。

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この記事を書いた人

現場での活動を通して、スポーツについて思うこと、選手と指導者、チームとの関わり方、目標とする大会へ向けての準備(コンディショニング)について書いています。バレーボーラーの日頃の活動の+αに繋がれば幸いです。

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