第35回目「クーリング」
もうすぐ夏休みですね!休暇中はいつもよりも長い時間、部活動に励む選手も多いと思います。
この季節、毎年耳にするのが「熱中症予防」です
今回は「クーリング(身体冷却法)」について学んでみましょう!
●運動前・運動中のクーリング法
①アイススラリー
アイススラリーとはいわゆるシャーベット状の飲み物のこと。冷たい飲料を飲むよりも非常に高い冷却効果があると言われています。
スポーツ飲料を凍らせるタイプやエネルギーゼリーも凍らせて摂るタイプもあります。
氷とスポーツドリンクを3:1の割合でミキサーにかけ、保冷効果のあるボトルに入れれば自宅で作ることもできるようです
しかしながら、深部体温を十分下げるためには量を多く摂る必要があり、胃に不快感を与えることもあるので
試合などで取り入れる場合は、予め適切なタイミングを自分で把握する練習をしておくのが良さそうです
②アイスベスト
冷却剤がポケットに入ったベストのことで、皮膚を効率よく冷やすことができるため余分な発汗を抑えることができます!
冷却剤のこまめな交換が必要になりますが、運動前・中、タイミングがあればどの場面でも適切に活用することができます。
③手のひらを冷やす(手掌前腕冷却)
手のひらと前腕(手首から肘までの部位)を冷水につけて冷却する方法です。手のひらには多くの血液が通過する血管が存在するので、手のひらで冷やされた血液が循環することで身体が冷却されます。
10~15℃の水に10分間つけることで皮膚温や心拍数も低下させることができるほど深部体温を低下させる効果があるので、運動間での使用が有効です
●クーリングのタイミング
①運動冷却(プレクーリング)
試合前や練習前のクーリングは筋温を下げないことも注意が必要ですが、水分補給やアイススラリーで深部体温を予め少し下げると、発汗量を抑えることができます
②運動中/間冷却(パークーリング)
ここでも筋温を下げすぎないことに注意しながら、運動で上昇した身体をクーリングベストで冷却したり、ミスト+風を当てて皮膚を冷やしたり、手のひらを冷やすこともオススメです
③運動後冷却(ポストクーリング)
運動後は、次の日または次の試合に臨むために、身体を徐々に冷やして安静時のレベルに体温を下げることで余計な発汗やエネルギー消費を抑えましょう。水分補給やアイススラリーで冷却+エネルギー補給を行ったり、アイスバスなどで全身を一気に冷やすことも競技によっては良いかもしれません
※より詳しい情報は競技者のための暑熱対策 ガイドブック【実践編】をご覧ください!
参考:競技者のための暑熱対策 ガイドブック【実践編】,独立行政法人日本スポーツ振興センター ハイパフォーマンススポーツセンター 国立スポーツ科学センター(JISS),2020
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