夏場におけるアスリートの水分補給は非常に重要です。気温そして湿度が高い環境では、体温調節が難しくなり、熱中症のリスクが高まりるだけでなく、パフォーマンスにも大きく影響します。
前編の「適切な水分補給」に続き、今回は「アスリートの熱中症予防」についてまとめました
<内容>
・熱中症とは
・スポーツにおける熱中症のリスク
・熱中症の予防策
●熱中症とは 熱中症は、体に備わる体温調節機能が正常に働かなくなることによって発生する健康障害で、高温多湿の環境下で特にリスクが高まります。体温が過度に上昇し、脱水や電解質バランスの崩れを引き起こすことで、意識障害やけいれん、重症の場合には死に至ることもあります。
●スポーツにおける熱中症のリスク 熱は筋肉を使うことによって発生します。スポーツなどの激しい運動を行うと、一時的に体温が上昇し、汗をかくことで体温を下げる仕組みが備わっています。しかし、以下の要因により熱中症のリスクが高まります
- 高温多湿の環境:外気温や湿度が高いと、汗をかいても体温を効果的に下げられません。
- 過剰な運動:長時間または激しい運動をすることで、体内の水分が急速に失われます。
- 脱水状態:運動前や運動中に水分補給が不足すると、体温調節が困難になります。
- 不適切な服装:通気性の悪い服装や重い装備が体温上昇を助長します。
●スポーツにおける熱中症の予防
暑さに体が適応する(暑熱順化)には1週間程度かかると言われています。急な暑さ、体調が悪い時には無理をしないなど、自己コントロールの方法もしっかりと学んでおきましょう。
1.適切な水分補給
- 水分が十分に摂取できているかは「尿の色」で確認できます(イラスト参照)。薄い黄色の場合は水分が十分摂取できている証拠です。濃い黄色や茶色の場合、脱水の可能性があるので注意が必要です。

2. 時間帯の工夫:
- 高温の時間帯を避け、早朝や夕方など比較的涼しい時間に運動を行います。
3. 服装の選択:
- 通気性の良い軽い服装を選ぶことで、体熱の放出を助けます。
4. WBGT(環境の温度・湿度・風速・日射)を参考にする:
- WBGT値を確認し、感覚的な暑さに加え、スポーツ環境の安全性を可視化する習慣をつけましましょう。
5. 体重の管理:
- 練習前後の体重を測定で水分補給の状況を確認できます。2%以上の体重減少は、水分不足なので注意が必要です
これらの対策を実施することで、スポーツ中の熱中症のリスクを大幅に軽減することができます。
日頃の体調管理やWBGTの数値で危険性を認識しながら、夏場のスポーツを乗り切っていきましょう。
