女性アスリートの栄養・食事②

#103 女性アスリートの栄養・食事②

コンディショニングにまつわる内容を挙げていきます。

理論的な難しいことはさておき

基本的なこと・実践可能なことを

わかりやすく情報提供したいと思います。

(ブログ「女性アスリートのコンディショニング」の続きです)

 

今回のテーマは「食」「栄養」。

鹿児島にあるKAGO食スポーツさんが

アスリートや子供たち、そして取り巻く保護者、指導者へ向けて

セミナーを積極的に開催されています。機会があれば

是非お話を直接聞けるといいですね。

参考資料:

・一般財団法人 日本女性医学学会監修「女性のための健康・栄養ガイドブック(成長期・アスリート編)

・農林水産省監修「食品バランスガイド」

【内容】

  1. 骨をつくる
  2. 貧血を防ぐ
  3. 水分補給
  4. まとめ

 

【骨をつくる】

”骨粗鬆症”というのを、聞いたことがあると思います。

骨がスカスカの状態で、脆くなり、骨折リスクの高い骨の状態のことです。

 

若い人には関係ない、お年寄りが抱える問題・・・というイメージはありませんか?

しかしながら、

最大骨量の獲得は10代まで

と報告されています。つまり、

10代の間に強い骨、しっかりとした骨をつくる食事や運動などの健康管理がなされていないと

その後世に骨の問題(骨粗鬆症)で悩まされるリスクが高くなる。

 

骨は、タンパク質カルシウムを材料にして作られています。

これらの栄養素を多く含む食品を食事の中に取り入れましょう。

 

 

 

 

 

→牛乳、ヨーグルトなどの乳製品に多く含まれます。

その他にも小魚類、大豆製品、一部緑黄色野菜にも含まれます(うちはお味噌汁のダシを煮干しでとって、小松菜を入れて食べています)。

 

食品の中には、単品でなく「合わせて摂る」ことで

カラダへの吸収が高まる食品がいくつかあります。カルシウムに関しては

ビタミンDを合わせて摂るといいことを、覚えておきましょう。また、ビタミンK(ほうれん草、小松菜、納豆、春菊)は骨にカルシウムが沈着するのを助けます。

 

以前から伝えているように、

エネルギー不足によって無月経が引き起こされると、

低骨密度のリスクが高くなるので、

エネルギー摂取量が不足しないようにすることも大切です。

 

「骨」というのは、

栄養だけでなく運動による”骨への刺激”が入ることで、

より骨密度が高まります。

ジャンプやランニングなどのスポーツは

本当は、骨にとっても良い条件なのです。

適度な刺激はいいのですが

”運動の量や強度”と”エネルギー量”が見合わないと

疲労骨折もしやすくなるので、注意が必要です。

 

【貧血を防ぐ】

スポーツ貧血は多くみられる障害の一つです。

貧血かどうかは、血液検査をしてヘモグロビン値が正常か否か、

フェリチンという数値で鉄の貯蔵量が十分かどうか、

エネルギー不足はないか、まず調べてもらうことが先決です。

 

アスリートの貧血の多くは、鉄欠乏貧血で

ヘモグロビンの材料となる

”鉄””タンパク質”の食事の不足が一因となります。

したがって、貧血の予防・改善するためには

活動量に見合ったエネルギー摂取をする。

 

いくら、「鉄不足だから」「鉄を多く含む食品を」と言っても

それ単品だと、エネルギー不足までは改善することはできません。

 

 

 

 

 

バランスの良い食事が良い、というのは

タンパク質カルシウム鉄分、そしてそれらの吸収率を高める

ビタミンDビタミンK、そして鉄の吸収を高めるビタミンC、

そして1番のエネルギーの源になる炭水化物も合わせて摂取することができます。

 

【水分補給】

これは、農林水産省が推奨している「食品バランスガイド」の図です。

食のバランスを”コマ”に見立てていますが、この中心にある軸となる部分は「水分」です。

水分が不足してしまうと、全体のバランスが取れなくなります。

 

 

 

 

 

 

運動時には発汗量に見合った水分を補うことが重要です。

「汗をかいたら水分補給をする」というのはスポーツ選手にとっては当たり前の情報ですが

運動後の体重減少が2%を超えてしまうと、水分量が足りないという目安になります。

また、水分補給に関しては詳しく、別のブログで書きたいと思います。

今の季節は特に熱中症の予防も考慮して、水分補給はしっかりと摂ることを心がけましょう。

 

【まとめ】

・人生の骨量を得られる時期は20歳まで。

・カルシウムを多く含む食品だけでなく、カルシウムの吸収を高める食品であるビタミンDと

カルシウムの沈着を高めるビタミンKを含む食品も摂取する。

・アスリートの貧血予防、改善にはヘモグロビンの材料となる鉄とタンパク質、鉄の吸収を高めるビタミンCを多く含む食事を組み合わせて取り入れることが大切

・発汗量に見合った水分量を補おう。

 

【編集後記】

#101 のブログの後半です。

今回は、アスリートのスポーツ障害である

「疲労骨折」「スポーツ貧血」「熱中症」

発症予防につながる内容です。

 

スポーツ障害とは

良くないコンディションの”積み重ね”によって起こる

コンディション不良のことです。

 

ありきたりの情報で、聞いたことがあることばかりかもしれませんが、

”基本”だからこそ、大きく変わらない内容です。

まず、ここからライフスタイルを見直しましょう。

 

 

ウェブサイト:コアコンディショニング ミサカ

About the author: MISAKA AYA

バレーボール競技専門の女性フィジカルトレーナーです。 現場での活動を通して、スポーツについて思うこと、選手と指導者、チームとの関わり方、目標とする大会へ向けての準備(コンディショニング)について書いています。バレーボーラーの日頃の活動の+αに繋がれば幸いです。