女性アスリートのコンディショニング

#92 月経対策の重要性ー月経困難症ー

女性に特化した

「コンディショニングを考える必要性」

について不定期に発信します。

とても大切なことで、男女問わず

「健康」について真剣に伝えたいので

少しづつ、書いていきます。

「月経」に関する基本的な知識と

「スポーツ選手と月経」が、

どのように関連するか?挙げてみます。

こういう話は助産師さんが専門なので、

私はごくごく、基本的なことしかわからないのですが

女子選手を相手にする限り避けて通れない

そして、中学生〜高校生くらいの時期から

キチンと自分の身体の事を知ってもらいたい。

「スポーツ」からこういう情報にたまたま引っかかった人、

コンディショニングがここまで関わると思わなかった人

普段、女子選手を扱う男性指導者の方などでも

「へー、そうなんだ・・」

が、幅広く伝わればいいなと思います。

*参照:女性アスリートのための月経対策ハンドブック

 

【月経対策=コンディショニング】

月経による体調不良は36.7%、月経痛は27.8%と

月経に関する問題が競技へ影響した、と回答する

トップアスリートは多く存在するようです。

近年では婦人科を受診し、

月経対策を行うアスリートは増加傾向にあります。

目標とする試合と月経が重なり

「本来のパフォーマンスを発揮できなかった」

という選手を減らすためにも、

事前に”予測できる問題”において

対策を立てるそして、準備を行うという

考え方こそコンディショニングです。

【コンディションに与える影響】

婦人科系でコンディションに影響を与える問題は

①月経困難症

②月経前症候群

③過多月経

④ホルモンの変動に伴うコンディションの変化

などがあります。

中でも、コンディションに直接影響を与える疾患である

月経困難症は、いわゆる強い生理痛のことを指します。

月経痛があっても

「薬を飲むと癖になる」「ドーピングが心配」

といった理由で、鎮痛剤を服用せずに我慢している選手も

多くみられるようです。

【月経困難症】

「月経に随伴して起こる病的症状で、日常生活に支障をきたすもの」

とされています。

<症状>

下腹部痛・腰痛・腹部膨満感・吐き気・頭痛・疲労

脱力感・食欲不振・イライラ・下痢・憂鬱 など

10代後半〜20代半ばまでは主な痛みは月経中のみですが

子宮内膜症、子宮筋腫などの疾患も月経痛の原因になる

場合もあるので、年齢を重ねるごとに

痛みが増す場合には婦人科の受診を勧めます。

月経痛のひどい人は、鎮痛薬のみの対応では

コンディショニングとして不十分の場合があることも

知っておきましょう。

また鎮痛薬で対応する場合には

痛みの原因となるプロスタグランジンが

分泌される前に、薬を服用すると痛みを抑えやすくなるそうです。

月経痛の余韻を感じたら、早めに服用することをお勧めします。

【まとめ】

月経困難症に困る選手は多いことでしょう。

時折、顔が真っ青な状態や、

練習途中でしゃがみ込んで動けない選手を

見かけることがあります。

私も、ひどい月経痛だったのでよくわかります。

月経って女性にとって

痛みも含めて”当たり前”にあるものなので、

そこまで深刻に捉えていないのかもしれません。

不思議なもので、

出産すると、月経痛は軽減または消失します。

すっかり、昔のような痛みは忘れてしまいました。

今は、月経痛に時々苦しむ二人の娘のために

鎮痛剤を早めに飲むように、そして携帯しておくように

勧めています。

女性として、母として

自分の体験やこういう知識は繋がっていくのです。

そして今、昔の自分へ思うことは

あんなに苦しまなくても、

自分で自分の体に対して、もっと優しくできたかも・・・

娘を育てて、そう感じます。

だから、スポーツ選手であろうとなかろうと

親から見れば、大事な我が子。

カラダは、カラダだけは

大切にしてほしいです。

 

About the author: MISAKA AYA

バレーボール競技専門の女性フィジカルトレーナーです。 現場での活動を通して、スポーツについて思うこと、選手と指導者、チームとの関わり方、目標とする大会へ向けての準備(コンディショニング)について書いています。バレーボーラーの日頃の活動の+αに繋がれば幸いです。