肩のケガ予防のためのエクササイズ

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 バレーボールに起こりやすいケガの1つに肩の痛みがあります。サーブやスパイクなど、頭上でボールを叩くことが多いため、アタックの本数と比例して痛みを訴える選手が多い傾向です。

 ケガの予防だけでなく、中学生や高校生からの質問でもよく「力強いスパイクが打ちたいから肩のトレーニングを教えてほしい」という質問を受けることがあります。実際肩のトレーニングをしていても「力強いスパイク」に繋がらないことも多いようですね。

 今回は肩のケガ予防のエクササイズをご紹介します。痛みがなくても日々のコンディションチェックとしてエクササイズを活用してみてくださいね。

内容

・肩関節と肩甲骨の動く範囲を広げる

・「動く+支える」はセットで鍛える

・パワーを生む原動力は体幹強化と股関節の可動域

 ●肩関節と肩甲骨の動く範囲を広げる 肩関節が動く範囲(関節可動域)に左右差がないかどうか確認することが予防において大事です。肩関節は腕の骨(骨頭)の位置が肩甲骨の溝にうまくはまっているとスムーズに動きます。しかしながら、その動きを邪魔する要素があると、引っ掛かりが出て痛みが生じる、というのが一般的な痛みの原因になります。

 肩甲骨は肩の関節と連動して、さらに広い可動域を可能とします。肩がスムーズに動くことで、スパイクやサーブの動作が自然になり、筋肉や靱帯への負担を減らすことができます。

●”動く”+”支える”はセットで鍛える ただし、動くだけではケガ予防には不十分です。広がった可動域をしっかり支える”安定性”が必要になります。肩は他の関節と異なり、骨と骨で連結されておらず、筋肉によってその位置が保たれています。肩の安定性は肩甲骨周囲の筋群やインナーマッスル(肩腱板)の強化がカギとなります。

●肩の可動性と安定性を高めるエクササイズ 肩甲骨周囲の可動性を高めるエクササイズと安定性を高めるエクササイズをご紹介します。

①”胸”から腕を動かす(胸椎ローテーション)

・横向きに寝て行います。骨盤を安定させるために脚の間にバスタオルなど丸めたものを挟み、写真のように股関節と膝関節を90度に曲げましょう

・胸をしっかりと広げて腕を180度広げます。指先を目線で追いながら、行うと効果的です。

②肩甲骨を”下げる”+”寄せる”

・頭上に腕を伸ばし、手のひらを合わせます。

・肘を脇に引き寄せるように、腕を下ろします。その際、手のひらを外側に向けながら行ってみましょう。

・動きに慣れたら、腕を下ろすときに”胸を開く”と、肩甲骨が内側に寄る感覚が掴みやすくなります。

③肩甲骨で”支える”(プッシュアップ)

 ・うつ伏せになります。手のひらを肩より少し下あたりに置きます。

 ・手のひらで床を押し、膝立ち(もしくはつま先立ち)の姿勢になる。お尻から頭まで一直線、腰が落ちないことがポイント。

●まとめ 肩は“動かす”ことと“支える”ことのバランスが取れて初めて、ケガを防ぎ、最大限のパフォーマンスを発揮できます。肩や肩甲骨の動きが連動して、スムーズな動きが可能となり靭帯や筋肉の負担を減らすことになります。

 ケガの予防は日々のコンディション(状態)を整えることが大事です。痛みがなくても毎日の練習前や練習後に状態チェックとしてエクササイズを実施してみてくださいね!

 

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この記事を書いた人

現場での活動を通して、スポーツについて思うこと、選手と指導者、チームとの関わり方、目標とする大会へ向けての準備(コンディショニング)について書いています。バレーボーラーの日頃の活動の+αに繋がれば幸いです。

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